ミニマム・アクセス米
ミニマム・アクセスとは、農産物の最低輸入量などと呼ばれており、1993年のWTOウルグアイ・ラウンド農業合意において定められたもので、年ごとの 輸入量を義務づけているものではなく、正確には、最低限のアクセス機会(低い関税での輸入枠設定)の提供を行うことが義務づけられているものです。

WTOウルグアイ・ラウンドでは、原則として関税以外のすべての国境措置を関税に置き換えるという、いわゆる包括的関税化(「例外なき関税化」)が合意され、あわせて、基準期間(1986〜88年)における輸入量がほとんどない品目については、最低輸入量(ミニマム・アクセス)として当時の国内消費量の3%の輸入量を認め、それを6年間で5%まで拡大することとされました。ただし、関税化を行わない特例措置を適用する場合には、この3→5%のミニマム・アクセスを4→8%に拡大することとされました。

日本はミニマム・アクセス以外のコメの輸入を拒む「関税化の例外措置」を選んだため、コメのミニマム・アクセスを2000年度まで年々増加させることを義務付けられました。その後、1999年4月1日よりコメを関税化したため、2000年度のミニマム・アクセス76.7万玄米トンが2001年度以後も継続されることになりました。したがって2009年度のミニマム・アクセスも76.7万玄米トンです。

ミニマム・アクセスという用語はWTO協定上のもので、日本では、「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(いわゆる食糧法)」第30条(米穀等の輸入を目的とする買入れ及び当該米穀の売渡し)で、“政府は、米穀等の輸入を目的とする買入れを行い”などの表現で表しています。

 ミニマム・アクセス米は、主に加工用や援助用に、一部が主食用や飼料用に使われ、残りは在庫に回されています。最近は、とうもろこしなどの世界的高騰で、ミニマム・アクセス米を飼料に使う農家が急増しているそうです。
 なお、ミニマム・アクセス米が主食用に販売された場合には、それに見合う数量以上の政府国産米を主食用以外に処理しているそうです。これは、主食用国産米の価格の下落を防ぐための措置だと思われます。