小麦の強力粉・準強力粉・中力粉・薄力粉
 小麦粉に含まれる@タンパク質の量、A主要タンパク質であるグリアジンとグルテニンが絡み合って形成されるグルテンの量および質、ならびに、B粉粒子の大きさによって、小麦粉は強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉に分類され、それぞれ最適な用途が異なります。

 強力粉は、タンパク質含量およびグルテン量ともに多く、またグルテンがよく伸び力強く、粉粒子の大きさが粗い(粒度が大きい)という特徴があります。パン用に適しています。主にカナダ(銘柄名:1CW;No.1 Canada Western Red Spring)、アメリカ(HRW:Hard Red Winter)から輸入した小麦が使われていますが、北海道の春播小麦(代表的品種:「ハルユタカ」;通常、4月下旬播種、8月上旬収穫)が利用される場合もあります。

 準強力粉は、強力粉と中力粉の間に位置する小麦粉で、それをこのように呼んで区別する場合があります。粉の性質は、強力粉に似ていますが、グルテンの力はやや弱くなり、菓子パンや中華麺に適しています。国産小麦や輸入小麦の一部がこれに仕向けられています。

 中力粉は、タンパク質含量およびグルテンの量・質ともに中位で、粉粒子の大きさが細かいという特徴があります。うどん、そうめん、フランスパン、クラッカー、餃子の皮に適しています。国産小麦の多くはうどん用に仕向けられますが、特にうどん用にはオーストラリアからの輸入小麦(ASW:Australian Standard White)が最適であるといわれています。

 薄力粉は、タンパク質含量・グルテン量ともに少なく、グルテンの力は弱く、粉粒子の大きさが極細かいという特徴があります。ケーキ、クッキー、天ぷら粉、饅頭に適しています。主にアメリカからの輸入小麦(WW:Western White)が使われています。